ナナらしく飛んで...(SS)

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ナナは今までずっとアイドルになりたかった。



アイドルになれた今でも少し信じられないところがある。



こんなナナを笑顔で迎え入れてくれたプロデューサー。

やりたかったことができる。

確かにそうだけど、「ウサミン星からやってきたアイドル」なんて受け入れてもらえるのか。



デビュー前はそんな不安しかありませんでした。デビューが叶い、お客さんの前に立ったとき、放たれた言葉は今でも記憶に残り続けている。





「うわキッツ」



何度も心が挫けそうになりました。辞めてどこか知らないところへ行きたくなった。

でも行動に起こさなかった。



プロデューサーが教えてくれたから。

P「お前はまだ輝くことができてないだけだ。俺はお前のファン第一号だろ?だからお前を輝かせさせる権利を俺にくれ!」



この言葉に何度励まされたことか。

それからナナの挑戦は始まりました。

コツコツ、一歩ずつ、プロデューサーが取ってきてくれた仕事をこなした。

そしたらだんだんみんなナナのことを認めてくれるようになってきたんです。



少しずつ、ナナにレスポンスを返してくれるようになって…。

ナナのことを受け入れてくれた、ファンのみんなのためにももっと成長しなくちゃいけない。

自然とそう思うようになりました。



メルヘンデビューも、メルヘンメタモルフォーゼも、

コールが完成されていって今では、ライブ会場にいるファンのみんな全員でやってくれるようになりました。

そんな歓声は嬉しくて、そして、とっても温かくて…。



総選挙は9位以内に何度も入れたり、それだけで嬉しい限りなんですけど…。

そんな中奇跡が起きた。



第7回総選挙。

本田未央ちゃんに僅差で勝ってしまったのだ。





1位。



にわかに信じられなかった。



だって私ですよ??



こんな、作ってるってわかっちゃうような私が、ですよ?



私なんかがシンデレラガールになってよかったのでしょうか。

嬉しいと通り越して、ナナでよかったのか疑問が浮かんでしまいます。

でもそう思うのはやっぱりやめようと思います。



だってファンのみんなに失礼だと思ったから。



だから。





「全国、いや全宇宙のナナのファンのみなさん!



ナナを選んでくれてありがとうございます!



これからも



夢と希望を両耳にひっさげ



ナナ、がんばっちゃいまーす☆」





キャハッ☆

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