というわけで、結婚してください!
「車もバスケットも借りっぱなしだし。
 ……盗聴器とかホテルにつけられてたら困るが、一応、連絡しないと。

 俺は、公衆電話を探してくるから、お前は、そこで食ってろ。
 ああ、知らない人にはついて行くなよ」
と知らない人について此処までついてきてしまった鈴に尊は言う。

 公衆電話か。

 いまどき、あんまり見ないよなあ。

 まあ、こういう場所だし、必ずあるだろうけど、と思いながら、建物の横、少し緑のある広場のベンチで鈴はソフトクリームを食べていた。

 すると、いきなり、背後から、よく響く声がした。

「お前、俺と最初に出会った場所、何処だわかるか」

 ひっ、と鈴は息を呑む。

 振り返ると、朝見たスーツ姿の征が真後ろに立っていた。

 みっ、尊さんっ、知らない人じゃなくて、知っている人が来ましたっ!
< 165 / 477 >

この作品をシェア

pagetop