というわけで、結婚してください!
 式に来ていた美女たちを思い浮かべてみたのだが、清白の一族は美形が多すぎて、誰がその未映子さんなのかはわからなかった。

「それにしても、子どもの頃の刷り込みって恐ろしいですね……」

「そうだな」
と尊が言う頃、長い長い塀が見えてきた。

 闇夜にそびえる清白の邸宅の塀だ。
 
 なんとなく、振り出しに戻った感じだな、とまた勝手に開く門を見ながら、鈴は思っていた。

 魔王の城から出発して、魔王の城に戻ってきたみたいというか。

 ぽすの糸を切られて、地獄にまた落ちてきた感じというか――。

 まあ、自分のことは、自分できっちりケリをつけなさいってことだろうな、と思いながら、鈴は征とともに、玄関先で車を降りた。






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