絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「どうして私なんかとお見合いを……?」

以前から顔見知りだったけれど、ふたりっきりになったのも今が初めてだ。まともに話したこともないのに……。

上杉さんの真意が知りたくてジッと見つめる。すると彼は急に表情を変えた。

「『私なんか』って言うなよ。……そんなお前が好きで結婚したいと思っている俺に失礼だと思わないのか?」

「……は?」

急に真面目な顔になってなにを言い出すかと思えば……この人、今、私を好きって言った? 結婚したいと思っているって言った!?

鳩が豆鉄砲を食ったような顔になっているであろう私を見て、上杉さんは前のめりになり私との距離を縮めた。

「言っておくけど、冗談でも嘘でもないからな? 絶対俺と結婚してもらう」

勝ち誇った顔で、ずいぶんと大口を叩く彼に口をパクパクさせてしまう。

最後に「覚悟しろよ」と宣戦布告され、それ以上私はなにも言えなくなってしまった。
< 11 / 272 >

この作品をシェア

pagetop