絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「いつか素直になんでも話せるようになるさ。そうすれば麻衣子も、自分のことを好きになれるはず。……だから慌てなくていい、麻衣子のペースで前に進んでいけばいい」

「上杉さっ……」

最後まで声が出なくて、私は彼の胸に飛び込んだ。

上杉さんの言葉は、まるで魔法のようだ。すっと私の心に染み込んで前向きな気持ちになれる。

それと同時に思い知らされる。私……この人のことが、どうしようもないほど好きだと。

溢れる想いと涙を止める術がない。ただ彼の胸の中に顔を埋め、ぬくもりに触れる。

上杉さんはそんな私の身体を優しく抱きしめ、涙が止まるまでなにも言わずそばにいてくれた。
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