絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「いやー、麻衣子と岳人君が一緒になってくれたら、私たちは親戚になるわけですね」

「いいですね、仕事でもプレイベートでもお付き合いできるのは」

「まったくです」

――なんて調子のいいことを言って笑うお父さんに、殺意を覚える。

私の父は祖父の代から続く有坂建築会社の社長。設計から施工、アフターメンテナンスまで総合的に行なっており、全国的にも有名。

上杉不動産とは取引があり、昔から密な関係を築いてきたようで、父親同士だけではなく、母親たちも仲が良い。……そう、子供以外は。

幼い頃から上杉さんとは、何度も顔を合わせてきた。だけど年頃ということもあり、お互いまったく会話をすることはなかった。

それは大人になった今も同じ。もちろん社交辞令で挨拶くらいはする。でもそれだけの関係だった。

彼を見かけるのは、父に毎回無理やり連れていかれているパーティーや記念式典の時だった。

いつも同伴者に違う女性を連れて歩いていて、彼となら一晩だけの関係でもいい!って言う女性が後を絶たない。
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