絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
何年ぶりだろうか、お母さんにこうして抱きしめられるのは。幼い頃はお母さんの腕の中にすっぽり収まっていた身体は大きくなっていて、昔のようにお母さんのぬくもりに包み込まれるのは叶わないけれど懐かしい。

私の身体をひとしきり抱きしめた後、お母さんは離れて目を拭いながら今度は私の顔を覗き込んだ。

「ごめんなさい、麻衣子。お母さん、良かれと思って自分の気持ちを押し付けてばかりで……」

「お母さん……」

「やだ、私ったら玄関で……。麻衣子が帰ってきてくれたのが嬉しくて、つい……。上がって。お茶を淹れるから。それでゆっくりお話ししましょう」

私の肩を擦るお母さんに、目頭が熱くなる。

「……うん」

お母さんに私の気持ちが伝わっていたって思ってもいいのかな。促されリビングへ向かうと、お母さんは紅茶を淹れてくれた。

ソファに並んで座り、温かな紅茶を飲むと緊張が解けていく。
少しするとお母さんはカップをテーブルに置き、口を開いた。

「麻衣子も、もう二十四歳なのよね。……だめね、私の中ではいつまで経っても幼いままなの」

そう言うとお母さんはゆっくりと私を見た。
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