絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
ハッとし勢いよく起き上がると、ベッドに腰掛けていたお母さんは驚いた顔で私を見る。

「お母さん、大丈夫なの!?」

心配で一目散に聞くと、お母さんは口元に手を当てて笑い出した。

「もう大丈夫よ。心配かけてごめんね」

それを聞き、ホッと胸を撫で下ろす。

「そうですよ、安心してください。もう大丈夫ですから」

次に聞こえてきた声に心臓が飛び跳ねた。

周囲を見回すと、看護師がいて恥ずかしくなる。
やだ、全然気づかなかった。看護師がいたことに。

「うん、体温も血圧も安定していますね。もう少ししたら朝食をお運びしますのでお待ちください」

「ありがとうございました」

立ち上がり頭を下げると、看護師は「お大事になさってください」と言い、部屋から出ていった。

ふたりっきりになり、少し気まずく思いながらも再び椅子に腰かけた。

「お母さん、本当に大丈夫? もう苦しくない?」

心配で尋ねると、お母さんはまた笑う。

「本当に大丈夫。……ごめんね、心配かけちゃって。びっくりしたでしょ?」

「……うん」

びっくりもしたけど、なにより怖かった。このままお母さんがいなくなっちゃったら、どうしようって。
するとお母さんは私においでと手招きした。
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