絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
だから気持ちを伝えず、磯部さんのように好きな人の幸せを願うだけの恋愛なんて……。そんなの、辛いだけじゃないのかな。
本当に磯部さんはそれでいいの?

「引き留めてごめんなさい、話はそれだけよ。……お疲れ様でした」

私にクルリと背を向けると、彼女は自分のデスクに腰掛け、仕事に取りかかった。

喉元まで出かかった言葉を必死に飲み込んだ。

なにも言うべきじゃない。人にはそれぞれ思いがあって、考え方も感じ方も違う。
恋愛だって同じ。色々な形があるんだよね。

「失礼します。お疲れ様でした」

深く頭を下げて部長室を後にした。

磯部さんのような素敵な女性が上杉さんの近くにいるんだもの。私は私でもっと彼に釣り合う女性になろう。

彼女から預かった書類をしっかりと持ち、家路に着いた。
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