絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
だってずっと上杉不動産が介護事業部を立ち上げたのは、社長であるおじさんだと思っていた。
だけど違ったの? 立ち上げたのは上杉さんだったの?

信じられずただ彼の答えを待つ。すると上杉さんは眉間に皺を刻んだ。

「麻衣子……お前は本当に俺に興味がないんだな。俺はお前のことを知ろうとしているというのに」

「いや、それはその……」

上杉さんには申し訳ないけど、私は彼のことを好きじゃないし。それに入社に向けて色々と忙しかったから。

言葉が続かず口籠り、頭の中で言い訳を並べる。

気まずくて目を泳がせていると、上杉さんは急に私の髪をクシャクシャと撫でた。

「キャッ!?」

な、なに!?

少しして手が離れると同時に、乱れた髪を整えながら顔を上げると、彼は複雑な表情で私を見つめていた。

「だから俺はもっと頑張らないとだな。麻衣子に興味を持ってもらえるように」

そう言うと彼はふわりと笑った。

「安心しろ、お前を困らせるようなことはしないから。……会社では上司として接するよ。だから一緒に頑張ろうな。……麻衣子には期待しているから」
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