好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

「ふふふ、緊張してるんだ…かわいい」

そりゃ、緊張しますよ…とは声に出して言えない。

「あ、あの…約束って?」

「名前…教えて」

「私のですか?」

「もちろん」

ふーと一息ついて

「井上 愛梨です」

「愛梨ちゃん、かわいい名前だね」

褒められ慣れていないものだから、フリーズする。
なんとか「…ありがとうございます」と言えたが、
イケメンと2人きりは、精神的に身が持たない。

まぁ、最初に会った時、私は彼を意識する余裕がなかったからできたことで、今は無理だ。

さぁ、名前も教えたし帰ろう…と立った。

「もう、8時過ぎてますね。神崎さん、お忙しいのに遅くまで残ってすみませんでした」

「もう一度言って」

「…何をですか?」

「俺の名前」

「神崎さん」

「やっぱり、お前の声で呼ばれるとゾクゾクする」

カウンターの中から伸びてきた手が、私の顎を掴み、前屈みになった彼の唇が私の唇に触れた。そして、後頭部をガシッと押さえられ、唇を何度も甘く喰んでいく。

「抵抗しないなら、食っちまうぞ」

お店の奥の事務所にあるソファで、何度も名前を呼ばされて、声が枯れるまで彼に美味しくいただかれてしまった。

私、チョロすぎる…
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