好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

彼女がどうしてこんな行動を取るのかわからない。

「こんなことをして、あなたはなにがしたいの?」

「目障りなのよ。昔から誰にも本気にならない彼が、いつか私を見つけてくれるはずだった。彼のお店に通って、親しくなった私に彼は、私に恋するのよ。でも、私には素敵な彼がいて、彼から私を奪って結婚まで行くの。ドラマティックよね。それなのに、あなたは私の邪魔ばかり」

身勝手な妄想に呆れて、震えも止まっていく。

「透さんが、身勝手なあなたに恋するはずないわ」

「私の人生計画を壊したのはあなたよ。透さんと結婚するまで宏人は私の彼氏でいるはずだったのに、あなたが奪ったわ。だから、奪い返したの。透さんだって返してもらうわ」

「透さんは物じゃない」

「彼の家から縁談の話がきた時は運命だと思ったわ。あなたのせいで、私の人生計画が少し変わっただけで、最初から彼は私のものだったのよ」

高笑いする彼女を睨んだ。

「あなたは透さんを好きなの?」

「御曹司でありながら、自分で不動産を所有している素敵な外見をした男、他にいないわ。あんなお店でオーナーなんてしなくても一生遊んでいけるお金を持っている。…私の旦那様になる人は彼しかいないわ」

あれもこれも欲しがる欲深さが恐ろしく感じる。
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