嫉妬深いから

28



えっ、と思って、手を頬に添えると、指に更に落ちてくる雫。

「…え?…あれ?何で……?」

元彼にウザいと言われたときも、別れを告げたときも、涙なんて出なかったのに。

そんな私の頭を、彼は優しく撫でる。
優しい目で、愛おしそうに触れる。

「真面目で意地っ張りで強がりだからな、お前は。

相手の不満に冷静に対処して、より良い方に行かないといけないって思ったんだろ。」

そう言って、彼はそっと私の頭を自分の肩に乗せた。





< 28 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop