嫉妬深いから

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いつも意地を張ってしまう私なのに。

この時の彼の言葉は、とてもすんなり受け入れることができた。

しばらく泣いて、落ち着いてきた時。
彼の台詞にふと疑問が湧く。

「──私なんかが、誰かを幸せにできるのかな…。」

「なんかじゃないだろ!」

ビシッ、とデコピンされた!
恨めしそうにおでこを押さえて彼を見ると、私を睨んでいた目が、ふっと優しくなった。

人差し指の背で、私の頬にそっと触れる。
その手つきが、眸が、とても甘い。
いつもの私なら、恥ずかしくて目をそらしてしまうのに。
何故か、絡まってしまって、離れない、視線。
彼は、少し照れたような、でも真剣な、複雑な表情で口を開いた。

「──少なくとも、俺の告白にOKをくれたら、俺はとんでもなく幸せになるけど?」





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