恋愛零度。
12.『笑って。』




病院からバスに乗って、その足で学校に向かった。

いつか君と見たイチョウ並木は、すっかり葉が落ちて、枝だけが冷たい風に揺れている。

ーー桐生くん。

私は君に、言わなきゃいけないことがある。

ひどいことをたくさん言った。私が辛いときや苦しいとき、そばにいてくれた君を、自分が傷つくのが嫌で、撥ねつけた。

だけど、やっとわかったんだ。

私のことが好きじゃなくても。本心の言葉じゃなくても。

嬉しかったよ。

君が好きだと言ってくれた私を好きになってみようって、そう思えたんだよ。

ありがとう。

何度もひどいことを言って、ごめんね。

そして、いますごく、君に会いたい。








< 242 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop