【短】回覧板~小さな繋がり~

なんか、安心してしまった。


いつもは俺が庇ってやってたけど
『どういたまして』は俺が率先してからかってたかも……。


なんでだ?

あの頃の俺のツボは理解できない。

「言えるからっ!
 どういた、し、まして!!」

「アハハッ、ぎこちなっ!!」


ムゥッと膨れながらも美鈴だって笑ってる。


「じゃあ、バイバイ。またねー。」

「んー、じゃな。」


『またね。』…か。

また逢えるのはいつだろうな?


回覧板が回ってきて美鈴が受けとって、俺が出たときだけ。


そんなのって、2ヶ月に1回あるかないか。

いや、この3年間くらい無かったからまたしばらく逢えないかも。


家に入っていく美鈴の後姿を見て、
無性に寂しくなった。

美鈴は寂しくないんか?


俺は美鈴ともっと一緒にいたかった。


この気持ちがなんだとかそんなん知らねーけど、

一緒にいたい。


素直にそう思った。
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