【短】回覧板~小さな繋がり~
隣の家のおばあちゃんは凄く優しい。
あたしが回覧板を持って行くと、
『ジュジュちゃん見てく?』
と家に入れてくれた。
『ジュジュちゃん』
とはお隣、中田家の愛猫。
猫が好きなあたしはいつも
ジュジュと遊ぶ。
―――ピーンポーン♪
またあたしはダッシュ。
「はぁーい!!」
「あ。美鈴ちゃん。
こんにちはー。」
「こんにちはー。」
来たのは裏のおばちゃん。
やったー。
「はい。
これお願いねー。」
「うんっ!」
そう言って受けとった回覧板。
「おかーさん。
回覧板きたー。」
「はいはーい。」
“白川”と書かれた欄に○を書いて
再びあたしに渡す。
「はい。」
「いってきます♪」
「待って。俺も。」
小2になって自分を『俺』
と言い出した翔。
6歳のあたしはなんとなく違和感があった。