この気持ち、君に伝えてもいいですか?
早足で校舎の入り口に向かっている途中、わたしは1人の女の子に声をかけられた。

この子の名前は向井美南(むかいみなみ)。

わたしと同じクラスの子で、1番仲良しなの。


「美南ー。わたし達遅刻しそうだよ。急がなきゃ」

「そんなに焦らなくたって大丈夫だって」


美南は髪の毛が肩までと短くて、見た目通り割とサバサバとした女の子。

見た目は美人でモテそうだけど、少し大雑把なところがある。


「大丈夫じゃないよ。急がなきゃ、授業始まっちゃうでしょ」

「優奈は大げさすぎ。だってまだ……授業が始まる30分前だよ?」


わたしは美南とは正反対で、細かいこと結構気にしちゃうタイプ。

いや、もしかしたら…気にしすぎなのかも?


「30分前なんて遅刻でしょ! 遅くとも、1時間前には教室に着いていたいのに……」

「クラスにはここから5分もかからず着くのに、そんなに早く行って、一体何するの?」


美南が呆れたようにため息をついた。

何って、授業の準備とか、心の準備とか、色々でしょ!



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