クラスメイトの告白。


料理は元々好きだけど、伊原くんがおいしそうに食べてくれるから、作りがいがあるし、うれしい。


だけど、彼の笑顔を見るたび、胸が痛む。


白石さんに申し訳ない気持ちになる。


でも私は、彼にとってカレー師匠……じゃなくて、相棒という名のただのクラスメイトだし、悪く思う必要はないのかな。


「汐野? カレー見つめたまま止まってるけど、どうした?」


「ううん、なんでもない」


「あー本当にうまい、最高だよ、カレー師匠」


「ふふっ、よかった」


二人分にしては多めにカレーを作ってしまったけど、おかわりもしてくれて、彼は残さず食べてくれた。
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