クラスメイトの告白。
バス停のベンチに並んで座った私たちは、病院へ向かうバスが来るのを待った。
私が白石さんのお見舞いに行くのは、今日が初めてのことだった。
いまも意識が戻らない白石さんの面会は、家族だけが許されているそう。
たしかに事故があった翌日、白石さんの入院している病院にお見舞いなどは行かないよう先生から注意があった。
伊原くんは白石さんの彼氏だから、お見舞いに行くことは白石さんの両親にも了解を得ているんだと思う。
だけど、いくら伊原くんと一緒とはいえ、私が行ってもいいのかな。
「汐野」
「ん?」
「緑河の話、あったじゃん? 茉雛の事故が起きる数日前、泣きながら誰かと電話してたってやつ」
「あ、うん。白石さんのスマホ、着信履歴は残ってた?」
「茉雛の両親に確認してもらったら、その中に気になる名前があってさ」
「気になる名前?」
「赤西ありさ」