クラスメイトの告白。


「俺ひとり暮らしだから」


「え? ひとりって……」


「いま変装する」


「変装って……」


彼は、床にあった黒髪のカツラを慣れたようにかぶり、黒縁のメガネをかけた。


背中を少し丸めて、うつむく彼。


「い、伊原くんっ!」


「いまかよ! なんだ……気づいてなかったのか」


彼はカツラを取り、めがねをはずし、背筋が伸びた金髪の少年に戻った。


いくら変装とはいえ、別人のように雰囲気や話し方までガラリと変わるのがすごい。


「なんでこんなこと? 変装して学校に通ってる理由は?」


「その理由も、これから話すよ」


めちゃめちゃ気になる……。
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