クラスメイトの告白。
え……?
夢だよね……?
だって伊原くんがうちにいるわけないし。
テーブルに料理のお皿がならんでいるけど、伊原くんがうちでご飯を食べるわけないし。
「具合はどう?」
イスから立ち上がったお母さんは、私の額に手をあて顔をのぞきこむ。
「平気。まだ少し熱あるけど……」
「ごはん食べられそう? それともおかゆにする?」
「普通のごはん食べる」
「わかったわ。ごはんよそうわね」
「うん、ありがとう」
お母さんはキッチンに行き、私はテーブルを前にイスに座る。
目の前には伊原くんがいて、ななめまえにはお父さんが座っている。
私は手のひらで自分の頬をたたく。
「風杏、なにやってるんだ?」
お父さんが不思議そうな顔で私を見る。
「早く夢から覚めないかと思って」
「まだ寝ぼけてるのか? それとも熱で頭がボーッとしてるのか?」
「だって夢だもん……伊原くんがここにいるわけないもん」
目の前にいる伊原くんを指さすと、彼はニコッとする。
「彼氏が内緒でうちに遊びにきたから動揺してるみたいだなぁ」
「いや、彼氏じゃ……」
もしかしてお父さん、お酒飲んで酔っ払ってる?
なんだかご機嫌の様子だけど……。
そのとき、キッチンからお母さんが戻ってきた。
「いつから付き合ってるの? 病院で会ったときは風杏が否定してたけど、本当はもっと前から付き合ってたんでしょ?」
「なっ……!!」
お母さんまで、なにを言いだすの?
私の前にごはんのお椀と箸をおくと、お母さんは私の隣に座ってニヤニヤしながら伊原くんと私の顔を交互に見ている。
「だから、彼氏じゃないってば……」
すると、伊原くんが自分の箸で、大皿に残っていたからあげをつかみ、それを私のごはんの上にそっと乗せてくれた。
「あ、ありがとう」
どうやら夢じゃなくて……現実らしい。