クラスメイトの告白。


緑河くんと私は、2年生のときに同じクラスだった。


だから話を聞くこと自体は、そこまで難しいことじゃない。


問題は、話しかけるタイミングだった。


今朝、私は1時間目のあとの休み時間に、緑河くんのいる3年1組に向かった。


廊下から1組の教室をのぞき、緑河くんの姿をさがした。


すると緑河くんは、クラスの女子3人に囲まれて楽しそうに盛り上がっていた。


その中に割りこんで話しかける勇気なんてなく、私はそのまま自分の教室に戻ってきてしまった。


2時間目のあとの休み時間も1組に向かったけど、また同じような光景だった。


問題は、緑河くんのまわりにはいつも複数の女子がいることだった。


彼がひとりになるチャンスを見つけて話しかけるしかない。
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