I Still Love You

「他の皆さんは忙しいですし、私なんですかね?」

その言葉に日葵はハッとして笑顔を向ける。壮一と柚希が泊りで出張に行くことが、どうしてこんなに気になるのか……。
このあいだ、頼りにしてると言ったにもかかわらず、この重要な仕事を柚希に頼んだことがショックなのだろうか?自問自答しても答えは出ず、日葵は柚希に申請方法を説明した。

「柚希ちゃん、がんばってね」

笑顔で言ったつもりだったが、自分がどういう顔をしているかわからなかった。
しかし、そんな日葵の思いなど、まったく気づいていないようで、柚希は少しだけ言葉を選ぶような表情をした。

「仕事なので、こんなことを言ってはいけないと思うんですけど……」
少し話すのを躊躇した柚希に、日葵は首を傾げた。
< 116 / 229 >

この作品をシェア

pagetop