再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
考えただけで顔から火が出そう。



「ま、俺の一方通行でもいいけど」



そういうわけじゃない…よ?



「いつかでいいから…真凜の気持ち聞かせてくれよな」



少し寂しそうに笑うと、再びベンチに背を預ける。



いつか…。



そうだね、それはきっと遠くない未来。



この心の中のわだかまりが晴れたら…言えるようになるのかな。



「ごめんな…」



「…え?」



「また、記憶が飛んだら…」



記憶?



「ああっ…今のところ平気。覚えてる…」



瞼への、頬への優しいキス…。



って、思い出すとまた顔が熱くなる。



「こんなに、人を好きになったことないかも…」



「え、やだ。大げさ…」



「どうしてこんなに真凜に惹かれるのか自分でもわかんねーけど、失った時間を…これから一緒に取り戻そう」



そう話す涼真くんの目尻に光る物を見た気がした。



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