再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「誰あんた」


寝起きでボサボサの髪をかきあげ、気だるそうに見てくる男の子。


いや、誰って…こっちのセリフだってば。


「昨日、隣の家に引っ越してきたの。あなたこそ誰?」


「あー、あれか。兄貴にベタ惚れの女」


兄貴?


ベタ惚れ?


「はああ?」


「ウケる~。性懲りも無く戻ってきて、また兄貴を独占する気?」


「何の話よ。そんな気さらさらないけど…」


涼真くんに弟なんていた?


覚えてない…。


顔は似てるけど、断然涼真くんの方がカッコいいし優しそうだよね。


冷静にジャッジしていると、階段から誰かの足音が聞こえてきた。


「ふぁー…やっぱ寝坊。起こせって言ったのになんで誰も起こしてくんねーんだよ」


「甘えんな」


階段からおりてきたのは、涼真くんだ。


そして生意気な弟くんに冷たくあしらわれてる。


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