ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「なぁ妖斗……妖斗は、俺が目を覚まして、本当によかった?」
は?
「兄さん、何言ってんの? よかったに決まってんじゃん」
「……俺、こんなに妖斗に心配かけてんのに?」
「それとこれとは話が別だろ! 俺、もしあのまま兄さんが目を覚ましてなかったら、死んでたよ、きっと」
首を振って、必死にまくし立てる。
「……ごめん、そうだな。でも妖斗、その……お前に散々心配をかけた俺が言うのもなんだけどさ、お前は俺を中心に物事を考えすぎだ。今日だって、学校を休んでここに来たんだろ?」
図星だった。
「お、俺はただ、兄さんに早く元気になって欲しいだけで」
「だからって学校は休まない方がいい。ずっと行きたかったんだろ?」
ため息をついて、兄さんは頭を抱える。
「なんで」
「なんでって、おまえはただでさえ小中と学校に行ってないんだ。一日でも休んだら、授業に追いつくのが大変だろ?」
「じゃあ俺が授業を受けてる間に、兄さんが倒れたら? 兄さんはそれでも授業を受けろって言うの?」
苦虫を噛み潰したような顔をして、兄さんは言葉を詰まらせる。
「そうじゃない! そうじゃないけど……俺は、怖いんだよ。このままだと妖斗が、俺のせいで自分の人生を棒に振りそうで。……お前が昨日出かけたのだって、俺のせいだし」
兄さんの目から、涙がこぼれ落ちる。