ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~

「……そう思うなら、ちゃんとお別れしてきてください。でないと、きっと後悔しますよ」


拳を握りしめて、俺は言った。

「自分から逃げたのに? そんなことしたら、喧嘩にしかならねぇだろ」

「…紅葉さんのことちゃんと思ってたなら、話くらい聞いてくれると思います。親なんでしょう」

後悔して欲しくなかった。それになにより、紅葉さんが今にも泣きそうな顔をしていたから。会いに行った方がいい気がしたんだ。

「……どうなんだろうな。あいつは、俺のこと奴隷ぐらいにしか思ってねぇんじゃないかな」


「本当に奴隷だと思ってたら、きっと紅葉さんは今頃そんな風になってないですよ。

……紅葉さんが決めてください。このまま俺達と一緒に行くか、その前に一言でも話に行くか」


少し黙った後、紅葉さんは口を開く。

「……光輝、一緒に病室の前まで来てくれないか。ちゃんと話するから」


< 95 / 139 >

この作品をシェア

pagetop