そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
もともと外資系で国内従業員は二千人ほどの中小企業ということもあり、職場環境は他の大手と比べると手厚いと思う。

従業員なら誰でも自由に使えるシェアオフィスを都心で借りてくれているため、一人で集中して仕事がしたい時は皆そこを使っていた。

私も週二~三回は、午前中そのオフィスに出向きメールチェックや翻訳作業をしている。

このシェアオフィスは、アメリカが発祥で今や日本国内の一等地で複数展開している『ハピーオフィス』という会社が運営している。

そのオフィスが入るビルのエントランスには利用者が自由に使えるカフェがあったり、個別に仕切られたデスク、皆が会話を楽しめるソファースペース、畳の敷かれた掘りごたつテーブルが備えてあったり、仕事がリラックスしてできる工夫がそこかしこにされていた。
これは、本社の無機質な事務所ではあり得ない光景。

そんな場所で私が特に気に入っているのが大きくて光が一杯差し込むガラス窓。

解放的でその光を浴びてるだけで元気がチャージされるようだった。

今日もたまったメールチェックをするためにハピーオフィスに向かう。

「おはよう!」

エントランスのカフェのカウンターから挨拶をしてきたのは、東方新聞社の記者でこのオフィスでちょくちょく顔を合わすうちに親しくなった宮部真知さん。

真知さんは、都内の若い女性向けの情報特集記事を主に扱っている。

このオフィスには異業種の利用者が多数いるため情報収集には事欠かないらしい。
< 4 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop