そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
6.何かが始まる予感
6.何かが始まる予感


温かくて柔らかい感触が私を包んでいる。

確かに気分もよくて、ゆらゆらと大きな船に乗せられて大海原に航海に出てるような。

いやいや、そんなことはないか。

だけど今のこの状態がやけに居心地がよくてこのままずっと目を閉じていたい。

ふっと鼻をかすめるこの香り。

甘いムスクの香り。


『あきらめるなよ』

木材がバチバチと焦げる音。

熱い炎が目の前の光景を焼き尽くしていく。

誰かの鼓動が私の耳に響いている。

ドクンドクン

確かに私は生きていて、そして私をしっかり抱き留める彼の鼓動が私を励ます。

あなたは一体誰?

どこにいるの?


すっと私のおでこに冷たいものが触れる。

「ひゃっ!」

その瞬間おでこに鈍痛が走り声を上げて目を見開いた。

白い天井が目の前に広がる。

とてつもなく広い空間にいる?ここはどこ?

人の気配がして、おでこの痛みと闘いながら、少しずつ視線をその気配の方にずらす。

その人は眉間に皺を寄せ、私の顔をのぞき込んでいた。

「東條GM?!」

驚きのあまり飛び跳ねるように起き上がる。

「ッ痛」

その瞬間おでこから脳天にかけて痛みが走り頭を押さえた。

「無理すんな。横になっとけ」

GMはYシャツの袖をまくった状態で、私のいるベッドの横の椅子に足を組んで座り直した。

ネクタイを外し、胸元までボタンを外した大人の色気を嫌でも感じる彼の姿にドキドキして目を逸らす。

こんな状況でドキドキしている場合じゃない。

「すみません、でも、私どうしてここに?」

あまりの頭の痛みに、GMに促されるままゆっくりとベッドに横になった。
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