そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
「いいなぁ」

お昼を一緒に食べた香織は何度もそう言いながら私にくっついてくる。
うらめしそうな目で見てくる香織に手を振って、トレンチコートを羽織り社を後にした。

GMに個人的に何かを渡すなんて、やっぱり大それたことかもしれない。

とりあえず向かったデパートでぶらぶら歩きながらあらためて思う。

デパートでは今世界の雑貨店がイベントスペースで行われていた。

日本にはない色調の素敵な雑貨がたくさん飾られている。

思わず、足を止めて見てしまう。
普段色気のない生活しているけれど、一応女子だからこういうかわいい雑貨は大好きなわけで。

そんな中、イギリスからの輸入品で淡くて優しい色合いの花が描かれた美しい便せんと封筒に目が留まる。

「きれい」

思わず手に取った。
手紙なんてしばらく書いていない。
便利なスマホっていうものを携帯してるから、誰かに連絡をとるときはLINEやメールで事足りているから。

手紙、か。

GMに礼状をしたためるっていうのはどうかな。

GMは忙しいからなかなか会えないし、これならスタッフの誰かに言付けて気持ちを伝えられるような気がした。

手紙をそのままむき出しに渡したらラブレターなんて間違えられても困るから、手紙を入れる目立たない茶色の無地の封筒も買う。

とりあえずお礼が伝えられることに安心して、急いでハピーオフィスに向かった。




< 72 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop