最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「うーん、どうしよう。今日はご飯より麺の気分。私はパスタにしようかな。カルボナーラ」
彼女を待たせてはいけないと、私もいつもより悩まずに決めて食券を買い、列に並んだ。
社食に行く時は、財布は持たない。
社員証がクレジットカード代わりになっていて、給料から天引きされる。
パスタをトレーに乗せ、コップにサーバーの水を注いでいると、水沢さんも食器を受け取ってこちらにやって来た。
「はい、お水」
水沢さんの分のお水を渡せば、彼女はニコッと礼を言う。
「ありがとうございます。席どこにします?」
「右の窓際の席開いてるよ」
周囲をパッと見回して、眺めのいい席を見つけると彼女に伝えた。
「おっ、いいですね」
水沢さんが笑って頷いて、ふたりで窓際の席に座る。
窓際の席を取れるのは珍しい。
割と早い時間に食堂に着いたからかもしれない。
彼女が奥の席で私が手前の席。
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