最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~

10、天国から地獄ヘ

綺麗なオルゴールのアラームが鳴る。
これは慧が私のために設定してくれた目覚ましの音だ。
「もう……朝?」
手探りで目覚まし時計を探し止めようとしたが、別の手が目覚ましを止めた。
「おはよ」と挨拶と共にキスをする慧。
「……おはよう」
はにかみながら私も挨拶すると、彼は私の髪を弄んだ。
「このままずっとベッドにいたい気分だな」
「そのセリフ、最近いつも言ってる」
なるべく平静を装ってベッドから出ようとするも、彼にベッドに戻された。
「逃さない。まだ抱き足りない」
そんな我儘を言って慧は私のうなじに口づける。
こうして私を誘惑して抱く気だ。
でも、今日は土日じゃない。
仕事が待ってる。
六月に入り、紫陽花が綺麗な時期がやって来た。
気温も上がって周りの服装も長袖から半袖に変わり、夏も近い。
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