独占欲強めな同期の極甘な求愛


臣は私が綺麗な幼馴染だったら、こんな風に存在を隠したりしなかった?もっと明るくて、社交的な子だったらみんなに紹介してくれた?なぜかここにきて、長年くすぶっていた気持ちが湧き上がる。悔しくないのかと、私の中の私が言っている。

「んじゃあな、美麗。また」

そんな私の心内を知る由もない臣は、指定した階に着くと足早におりて行った。

もう臣の言動に一喜一憂するのに疲れてきた。傷ついたり、嬉しかったり、キュンとしたり。きっと恋なんてそんなものなんだって思うけど、私の恋はちょっと特殊すぎるのかもしれない。

ただの同僚に恋しているだけならよかった。それだったら、諦めもついたかもしれない。幼馴染だから傍にいられなくなるのが怖い。だけど離れられないのも辛い。取り残された私は冷たい箱の中でしばらく憮然としていた。


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