イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

困った様に眉間に皺を寄せる相手を見つめ、頭の中ではやらなければいけないことは、ちゃんと分かっているつもり…とは考えてたんだけど。


「あの…どうしても見せないと駄目？」


相手を困らせるつもりもないが訊き返してみると、白衣を着たドクターは呆れ顔でいて、一瞬毒舌を吐きたそうになるのをぐっと堪えた様に息を吸い込み、再び笑顔の仮面を取り戻して、優しい声で私に促した。


「そりゃ見せないと駄目でしょう」


診察が先に進みませんよ、と言われ、そりゃまあそうだよね…ともう一度納得。


「ほら、お腹出して。見せないと駄目だろ」


若干イラつきながらも再度勧めてくる相手に不覚にもドキンとし、でも、やっぱり無理…と判断した私は、つい拒否をしてしまった。


「御免被るっ！」

「こら、被るな！」


ふざけんな、と即座に言い返してきそうな雰囲気で睨み付けられ、でもぉ…と診察台の上で身を反転させようとする私。


望月葵、二十八歳。

小学校教諭をしている私は、四月から四年生のクラス担任を任されて、日々忙しい中でも子供達とも渡り合い、懸命に授業をこなしている。