イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「ひゃっ!」


肩を上げて声も上げると、頬から離れた今泉君は笑い、まるで子供みたいだ…と言って微笑む。

私はまさかまた彼にキスされるとは予想にもしておらず、反論も出来ずに狼狽えて、パクパクと口を開けて指差した。


「な…な…」


何すんのー!と喉元まで声はきてるけど発せず。


「また次会おうな。今度は何でストレス発散するかを考えておくよ」


如何にも治療といった感じの言葉をかけられて車を降りた。
今泉君は助手席のウインドウを下げると顔を覗かせ、「おやすみ」と優しく挨拶をして走り去る。

置き去りにされた私はそのまま彼の乗ったシトロエンの背中を見送り、見えなくなってから、「もう」…と呟きを漏らした__。


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