ツインタワー
こんな簡単な言葉も言えない。


"5歳差"という壁があまりにも大きくて…



早く行かなきゃ…



本当はもっと一緒にいたい。



まいを守ってやりたい。



でも、それは俺の役目じゃないんだ。



俺が自転車に乗って行こうとしたら、まいが俺の名前を呼んだ。



「元気でな。」



振り返るとまいが"行かないで"って顔をしている。



でも結して声にわ出さないんだ。



俺が困るとでも想うのか???


お前の優しすぎるぐらいのその気持ちが逆につらい。



でもそんなまいだから好きになったんだ…




俺は泣きたい気持ちを抑えて一生懸命、自転車をこいだ。



角を曲がりまいが見えない所までくると自転車をこぐのを止めて声を押し殺して泣いた。




もう、まいに会うことは一生ないんだ…
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