ツインタワー
「…んな事、俺が一番わかってるよ。」





「じゃあ、なんでためらったりするんだよ?」





「もう5年も経ってるんだ。まいにはまいの生活があるだろう?まいには誰よりも幸せになってほしいんだ。まいを幸せにできるのは俺じゃない。」





「……なんだよ、それ。俺にはわかんねえよ。だって、好きなんだろ?ただ5歳差ってだけじゃん。」





「もうこれは、どうにもならない事なんだ。愛してる、だから諦めるんだ。」





「…………。」





幸弘は何も言ってこなかった。




そして俺は厨房へと向かった。




あの日は何をやったのか自分でもあまり覚えてない。




俺はどうしたらいいんだ?




それしか考えてなかった。





その結果………




ガシャーン





「……おい仁。どうしたんだよ?」





皿を割ってしまった。





「皿は俺がやっとくから、仁は少し頭冷やしてこい。」





「……ごめんな。」





時計に目をやると、もうすでに5時をまわっていた。
< 52 / 156 >

この作品をシェア

pagetop