またきっと君を好きになる。
「いくら田邊でも、ずっと待っててくれるとは限らないんだからね」
「え!?どういうこと!?」
不気味な台詞を呟いた菜々子は顎で窓の外を示す。
中庭に面するその窓から身を乗り出すと、優くんと女の子がふたりで歩いていた。
優くんと同じクラスの子だ。放課後、教室に迎えに行くとたまに一緒にいるのをみかける。
楽しそうに話す二人をみていると余計に心がトゲトゲして、気持ちはどんどん暗くなる。
「田邊のこと狙ってる女子、結構いるんだから」
「で、でも私たち恋人同士だよ!?」
「私なら『喧嘩しているいまが絶好のチャンス』だと思うだろうね」