スーパーガール
初恋と失恋
私が好きになる男のカテゴリーは、昔から決まっている。

頭が良くて、穏やかで、落ち着いた雰囲気をまとう、いわゆる理知的なタイプだ。特に、本を読むのが好きな文学青年に弱い。

その理由はおそらく、私が真逆のタイプだから。人は、自分にないものを求め、憧れるのだろう。

初恋は小学五年生の一学期。図書委員の渡辺《わたなべ》学《まなぶ》くんは、ダザイとかアクタガワとか、純文学を愛する少年だった。クラス一勉強ができて、それでいて謙虚で優しい彼を尊敬した。

ちなみに私の愛読書は当時から熱血スポーツマンガである。一緒に空手道場に通う兄の影響で読み始めたのがきっかけだ。

そんな私なので、学くんと話を合わせるために図書室で借りた文学全集を読んでみるも、1分で寝落ちする始末。

仕方なく、マンガでわかる純文学という本を読み込み、知ったかドヤ顔で学くんとコミュニケーションをはかったりした。
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