だって、聞こえなかったから!
すきとか、嫌とか。



「今、なんて言った?」



聞き返すと、有村(ありむら)は嫌そうな顔をした。



「……ごめん」



謝ると、さらに不機嫌になる。



「べつに!!」



……明らかに怒ってるじゃん!



言葉とは真逆な、その声と様子に……ついつい笑ってしまった。



「笑うな、バカ!!」



怒られるけれど、その姿は小学生そのもので、さらに笑っちゃったし、声も出てしまった。



「あははっ」



おかしすぎて、ちょっぴり涙まで出てきたよ。



「俺の声が聞こえないのは、俺のせいじゃなくて、お前のせいだからなっ!」



「それはどうかなぁ」



ニヤニヤとした目でみてやると、「ふん!」とそっぽを向かれてしまった。
< 1 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop