強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)



 「……千春、張り切りすぎじゃないか?」
 

 少し怪訝そうに秋文に言われたのは、そんな生活が1ヶ月続いた時だった。
 自分では生活が変わり、新鮮で充実していた。今は試合がない時期なので、彼の応援に行く事はないけれど、それでも秋文の生活を支えていることが幸せで仕方がなかった。


 「そんな事ないよ。私がやりたいからやってるだけだし。……無理もしてないよ。」
 「そうか?なら、どうして今日は雨だって千春が自分で言ってたのに、外に洗濯物干してたんだ?」
 「あっ………!!大変っ!」
 「もう取り込んである。」


 焦ってベランダに行こうとするれけど、秋文は落ち着いた口調でそう言って、千春を止めた。

 「……ごめんなさい。すっかり忘れてて………。」
 「それだけじゃない。ボーッとしてることも多くなってきただろ?」
 「それは……。」


 秋文の指摘は、千春も感じていた事だったのでドキリとしてしまう。

 確かに彼が言う通り、仕事をしたり家事をしている時にボーッとしてしまい、ミスが多くなってきていた。
 きっと新しい生活スタイルになり、不慣れな事が増えているからだと思っていた。
 けれど、彼がそこまで心配しているのだから、もしかしたら疲れすぎていたのかもしれない。


 「俺はおまえに倒れられるのが心配だよ。そっちの方が怖くてサッカーに集中出来ない。」
 「………ごめんなさい。自分でも気づいてなかったのかもしれない……。夢中になりすぎてたかな。」
 「俺のために頑張ってくれるのは嬉しいし、そんな千春を見てると頑張ろって思えるんだ……でも、やりすぎはよくない。」
 「……はい。」


 秋文はいつも正直な気持ちを伝えてくれる。
 だからこそ、彼の言葉は安心できる。

 そして、自分の事をよく見てくれているのも、千春にはわかっている。だから、彼に言葉を素直に受け入れられるのだ。

 

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