強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)



 「本当に心配したんだぞ……おまえに何かあったかと思ったら、目の前が真っ白になったんだ。」
 「あ、秋文……。」
 「……本当におまえに何もなくてよかった……。無事でよかった。」

 
 秋文に、「心配かけるな。」「無理はするな。」と、言われると思っていた。
 それなのに、秋文は千春を責める事なく、心配してくれた。
 千春は、自分が会社で秋文の事がバレてしまった事ばかり気にしてしまった自分が情けなくて仕方がなかった。

 秋文は、千春の体を心配してくれていたと言うのに。周りの目や、自分の嫉妬心ばかりに気をとられていたのだ。
 これでは、彼の妻として恥ずかしいのではない………そんな風に思ってしまった。


 「………秋文、その……。」
 「ほら、体が万全じゃないんだ、とりあえず寝室行くぞ。」
 「え……きゃっ!……一人で歩けるよ!」
 「いいんだ。少し休んでおけ。」
 

 秋文は、千春を抱き上げてスタスタと廊下を進んでいく。毎日トレーニングをしているとあって、千春一人ぐらいは軽々と持ち上げられるようだった。

 優しくベットに座らされると、次は千春のパジャマを持ってきて、着替えをされてしまう。
千春は抵抗したものの、「これぐらいやらせろ。」と、言われてしまい秋文は止めてくれなかった。ここで何を言ってもダメだと、千春はわかっていたので、何も言わずに彼にお願いすることにした。とても恥ずかしいけれど、それも我慢だ。

 秋文は千春の着替えを終えると、自分も部屋着に着替えて、千春と共にベットに入った。  そして、千春の頭を、優しく撫でながら千春の顔を見つめていた。少し考えた後、彼は申し訳なさそうに、「悪かった。」と言った。
 千春はそれが何の事なのかわからずに、首をかしげてしまう。



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