偽りの甘い罠
「あまり無理するなよ」
「平気よ。本当に心配しすぎなんだから、もう。」
「当たり前だろ。何より大事なんだから」



ーあのときー

三途の川を渡る手前で、力強く引き戻された

あなたの温かくて優しい手に

私の為に涙を流すあなたを、置いては逝けないと
思った

まだ伝えていないこともある

だから、私はあなたのいる世界へ戻った

あなたのそばで、もっと、もっと、生きていたいと
思った

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