偽りの甘い罠
ソファーへと促されて渋々座った

向かい合うように膝をつき合わせると、真剣な面持ちで
私を見据えた

「真面目な話をする。はぐらかさないで聞いてくれ」
「わ、わかった」

あまりに真摯な態度に緊張が走る

「正直なところ、怖いんだ。そばにいて守ってやりたい
そう思う反面、もしまた守れなかったら、、、と。
だから、悩んだ。有村のことだから、負い目を感じ
させないように、俺から逆に離れようとするだろうと
思ったし。全部取っ払って考えたとき、俺はやっぱり
お前のそばにいたいと思った。また居なくなられたら
俺はやりきれない。」

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