偽りの甘い罠
一時間後、疲れきった青柳とフロントマネージャーが
やれやれと戻ってきた

原因は予約した部屋と違うということだったらしい。

ご贔屓ではないお客様だから、予約の際に抜けた
んだろうと、、、

「前回と同じ部屋が良かったらしく、それをお客様
は伝えたらしいんだが、リストにも青柳自身も
言われた記憶がないと。まぁ、謝罪して今回は
事なき終えたが、次回からはマークしてくれ」

青柳は再度マネージャーに謝罪すると、気にするな
そう言って肩をポンと一叩きした

俯いて落ち込んでるのか背中を向けてるため青柳の
表情は分からない

珍しいミスだけに、どう声を掛けようかと迷ってると
不機嫌に眉をひそめた青柳が振り返った

何も言うな。そう威圧された気がした

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