偽りの甘い罠
じゅわ~っと口内を揚げ出しの出汁が埋め尽くす
豆腐と出汁のバランスが絶妙だ

「おいしい。」
「だろ?」

ニカーッと綺麗な歯列を覗かせて満足そうに、また
ひとつ揚げ出しを摘まむと自分の口へ運んだ

青柳は気にならないの?

間接的に触れたことに一人ドギマギする

あぁ、、、今日の私はどこかおかしいかもしれない
青柳がいつもと違う気がする

私を前にしてこんな風に笑ったことがあっただろうか

不覚にもときめいてしまった自分を呪った

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