偽りの甘い罠
曝け出すとき、
お気に入りの赤提灯の店へ

古びた暖簾をくぐれば活気に溢れた店内。

奥のカウンター席へ腰をおろした

ビールふたつ。
青柳がそう注文して、間もなくお浸しの御通しと、
ビールが運ばれてくる

ジョッキを合わせると涼しげな音色が耳に届いた

「久しぶりだね。こうして飲むの」
「そうだな。」

口数が少ないのは、これから話す内容の重さと比例する
みたいだった。

二人の間にはゴグゴグとビールが喉を通る音だけ

どこから話せば、なんて切り出せば、、、

なかなか口を開かない私に、じれったくなったのか、
青柳が先に動いた

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