偽りの甘い罠
何度目かで気が済んだのか、ムクッと立ち上がると
羽交い締めにする台詞を吐いた

「紗英、俺から逃げられると思うな。下手な真似は
するなよ。」

ーバタンッー

勢いよく閉められたドア

ベッドの上で乱された身体

奥深く切り刻まれた心


私は熟考する力もなく、、、そして、
棄てられた人形の如く身動きせず、殺風景な天井を
暫く仰いでいた



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