叶わなくてもいいから、恋したい。
「おはよ。行こっか。」

「えー!もう行くの?」

「当たり前でしょ。もう来てるらしいんだから。」

スマホを駆使して、口コミを一生懸命に見てる椎名ちゃん。

今日は一段と気合入ってるな~

「今、あたし達の近くにいるらしいよ!あたし、みてくるから、塾の前で待って。」

「わかった~」

椎名ちゃんと別れて、塾に向かった。

ここから、結構あるなぁ。

あれ、塾の前に誰かいるんですけど。

しかも、ひとり。気まずっ。。。。

仕方ないから塾の前まで行き、待つことにした。

「お前、ここの塾に通ってんの?」

は?

なんなのこの人。

いきなり、お前呼ばわりするなんて礼儀ないな。

「通っているけど。」

「そっか、俺もそうだよ。」

で、何よ。

一体何が言いたいのよ。

「塾が同じなら、自己紹介しなきゃな。俺は佐川翔輝。」

佐川……? あ!!!! え? あの、佐川?

「私は西牧りか。あなたに勝つつもりだから。」

「いきなり、ライバル宣言か。面白いな、お前。いいよ、勝ってみろよ。」

「いーわよ。後から泣いても知らないんだから。」

って、私は何を言っている!!

こんなこと言うつもりなかったのに。。。。

しかも、何か気に入られた?

め、面倒だ。。。

「翔輝!!おまたせ~」

「海斗!遅ぇぞ。」

うげ!誰か来た。。。

「女子じゃん。え、彼女?」

「あのなぁ~こいつは俺に宣戦布告してきたんだぜ?宣戦布告するような女は彼女にしたくねぇ。」

別にいいし。私もあんたのこと好きじゃない!!

「私だって嫌!あんたなんか全然タイプじゃないし!」

「おお、そうか。よーく分かったよ。俺が嫌いだから、宣戦布告してきたんだろ?」

「まあまあ、お二人さん。抑えて抑えて。とりあえず祭りいかない?」

なだめてくるこの男子(海斗とかいったっけ?)を無視して睨み続けた。

「そうだな。バイバイ。西牧ちゃん♪」

くぅぅ。こいつぅ。こうなったら勝つしかないな!

見てなさい!ちゃん付けなんて出来ないくらい、勝ってやって、さま付けさせるんだから!
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